僕はポケットに入れてあった携帯を取り出し、ミサトさんに電話をかけた。
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出てよ、お願い。今すぐにでも何とかしたいから。
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・・・繋がった。僕は大きく深呼吸した。
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『シンジ君?どうしたの?こんな時間に』
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「ミサトさんっ、あのっ、僕。これからちゃんとエヴァに乗りますから!命令無視も絶対しないから!
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だから、ひとつだけ僕の自由にさせて欲しいことがありますっ」
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『・・・・・』
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ミサトさんは黙って僕の話を聞いてくれている。
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『渚くんのことでしょ?』
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「えっ!?」
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ミサトさんの口からカヲル君の名前が出て僕は動揺してしまった。
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『今から非常召集かけるわ。ネルフじゃなくて家に帰ってらっしゃい。もちろん渚くんも一緒に・・・ね』
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「・・・はい。分かりました・・・」
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ぱたん、と携帯を閉じてカヲル君のほうへと向き直る。
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「・・・非常召集、だって。カヲル君、行こう」
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ミサトさんのマンション。まだミサトさんは帰ってきていないようだ。
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とりあえず、カヲル君をソファに座らせて冷えたお茶を出した。
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そして僕も隣りに腰を下ろして一息ついた。
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「シンジ君・・・」
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「大丈夫だよ。大丈夫・・・」
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自分に言い聞かせるように呟く。
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カヲル君がそっと手を握ってくれる。いつもの優しい笑顔。
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それだけで僕は心が満たされるのが分かった。
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玄関のほうで物音がした。きっとミサトさんだ。慌てて僕は繋いでいた手を離した。
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「繋いだままでも僕は構わないのに・・・」
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「大事な話をするんだから、ダメだよ」
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居間のドアが開いてミサトさんが入ってくる。
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「待った?ゴメンね。抜け出すのにちょっち手間取っちゃった」
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「いえ、僕たちも着いたばっかりだから・・・忙しいのにすみません」
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そう言うとミサトさんは、あなたの保護者なんだから、とにっこり笑って言った。
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「で?どうしたいの?」
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「・・・あの・・・」
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緊張で喉がカラカラに乾いてうまく言葉が出てこない。
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勇気を振り絞って言おうとした瞬間。
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「渚くんと一緒に住みたいのかしら?」
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「えっ!?」
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思ってもみないミサトさんの言葉に僕はビックリして固まってしまった。
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「そりゃーシンちゃんよりは長く生きてるワケだし。端から見てて分かるわよ。好きなんでしょ?渚くんが」
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「いや・・・あの、その・・・僕は・・・カヲルくんと一緒に居たいときは、外泊を許してほしいと・・・
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ま、毎日じゃなくても。あ、でも出来るなら毎日でも・・・」
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しどろもどろになりつつ、顔が火を噴きそうに赤くなりながら、
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それでもカヲル君と一緒にいたい一心で、自分の気持ちをミサトさんに伝えた。
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「ふふっ。カワイイなー、シンちゃんてばっ」
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「葛城三佐、僕からもお願いします。絶対に迷惑はかけませんから。」
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ミサトさんはカヲル君に向き直って話しを続けた。
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「シンジくんは今までもいろんな事で傷ついてきたわ。それは私たちがそうさせてしまった、ということも分かってる。
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でも、私たちではその傷を癒すことまでは出来なかった。あなたなら出来る、と思う?」
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「必ず。そうしてみせます」
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カヲル君は力強くそう言ってくれた。また涙が溢れそうになった。
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「必ず・・・か。若いっていいなぁ♪そーいう自信が持てるの、今だけよ。頑張ってみなさい!
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ただし、住むトコロはこのマンションの上の階。何かあったら、すぐに私に相談すること。」
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「えっ?ここの上?」
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「そりゃーシンちゃん達、まだ中学生なわけだし。さすがに目の届かないところに置いておくのもね。
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アタシだって家事上手なシンちゃんを手放したくないし」
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「はは・・・ミサトさんらしいや。・・・って、ここの家事も僕がするの!?」
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「イヤならいーのよー♪この話は無かったことに」
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「・・・頑張ります・・・」
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「決まりね。んじゃあ、私、本部へ戻るわ。渚くん、シンちゃんをよろしくね♪」
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「ねぇ、リツコぉ・・・」
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「何?」
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「やっぱさ、あの二人、デキてたわ」
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「・・・そう。やっぱり・・・で、どこまでいってるのかしらね」
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「うーん・・・いくとこまでいっちゃってるわねぇ・・・多分。一緒に住みたいの?なんて冗談のつもりだったのに、
あんなに真っ赤になっちゃって・・・」
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「どっちが下だと思う?」
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二人で目を見合わせて、同時に。
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「シンちゃんだわね・・・」
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「シンジくん・・・でしょうね」
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なんでしょう・・・結婚を許してもらいに親御さんに会いに行くカップルのようになってしまいました(笑)
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「シンジ君を僕にくださいっ」「お前にウチのカワイイ息子をやれるかーっ」みたいな(逆だけど)
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蜂蜜で甘甘ラブラブなカヲシン書こうとしてたのに何で?(聞くな)
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おあずけ食らって誤解して仲直りさせてみようと横道それたらこんなことに(笑)
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シンちゃんはミサトさん公認のハニーになりましたってことで。(うまくまとまった)
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りっちゃんとミサトさんまで腐女子にしてごめんなさい。
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で、トーストした食パンは蜂蜜かけてもなかなか染みないから垂れやすいよってことさ。
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